温故知新を体験しました~県中地区視察研修

2013年11月01日

 毎年恒例の宮崎県高等学校PTA連合会「県中地区視察研修会」が10月26日(土)開催されました。本校からは、竹下 勝久 副校長先生、渉外厚生部の高橋 幸彦先生および私の3名で出会いたしました。この研修会は、宮崎地区にある高P連加盟高校の保護者(P)と教職員(T)が集まって、現地視察や実地体験を中心とした研修会を年1回行うもので、今年度は宮崎商業高校が事務局となって企画されました。

 視察内容は、生目の杜運動公園のすぐそばにある「生目の杜遊古館(ゆうこかん)」にて、①施設見学→②古墳散策→③勾玉造りという流れでの半日間コースでした。台風一過の透き通るように晴れ渡った秋空の下、PとTからなる20名程度の出席者達と一緒になって、ワイガヤと賑やかに交流を深めながらも、地元を深く理解できる一日となりました。

 まず、遊古館の館内を市職員の田中さんに案内していただきました。施設は、埋蔵文化センター、体験学習館、宿泊棟の3エリアで構成されており、社会科学習、遠足、宿泊学習、レクリエーションなどに小・中・高校の児童・生徒等が幅広く利用できるとのこと。埋蔵文化センターは、宮崎市内全域の埋蔵物の調査研究、公開保存等を担っており、保管庫自体がデパートのショーウィンドウのようなガラス張りになっていて、保存機能だけでなく展示物としての機能も付加され、馴染みのない来館者にも親しみやすさが演出されていました。また、体験学習館、宿泊棟も隈無く案内してもらったのですが、ふんだんに木材が使用され天井も高く開放的な設備となっていました。安価な経費で180名程度の児童生徒が一度に宿泊できる規模で、屋外でのキャンプファイア・炊飯が可能で、雨天時でもミニ体育館(多目的室)が併設され、学年・クラス単位での利用には大変使い勝手がいいという印象を受けたところです。

温故知新を体験しました~県中地区視察研修
一度に40名が利用可能な調理実習室
温故知新を体験しました~県中地区視察研修
まるでショーウィンドウのような保管庫
温故知新を体験しました~県中地区視察研修
木の香薫る森中のキャンプと見紛う宿泊棟

 次は、遊古館の周辺に広がる生目古墳群を案内してもらいました。この地区は昭和18年には国指定史跡として指定された大古墳群で、今から1500~1700年前に大和朝廷と何らかの繋がりがある有力豪族たちの墳墓とのこと。現在、51基の古墳がありますが、今なお発掘調査が続いており、地下式横穴墓等が新たに発見されているそうです。ここの特長は何と言っても、古墳に立ち入り可というか、実際に登坂ができることです。皆さんは御存知でしたでしょうか?実は、遺体を納めた丘の部分(墳丘(ふんきゅう)と呼ぶそうです)の傾斜箇所には、河原で採取した石(葺石(ふきいし))をびっしりと敷き詰め、その平らな部分には、埴輪(はにわ)を飾りとして並べていたようです。日本の古墳は土や水のみで建造されたとの考えがひっくり返され、これはまるでピラミッドのような思想で古墳を造ったのだなと思い至ったところです。ただ、このような造られた古墳も長い年月を経るにつけ、葺石がはげ落ち土に埋まり、さらには古墳上に大木が生い茂るため、墳墓と言うより小高い丘陵の様相を呈するものもあるとのこと。我々一堂が小高い丘の上にピクニック気分で登った際に、田中さんの口から発せられたのがこの驚きの一言でした。

温故知新を体験しました~県中地区視察研修
復元された前方後円墳上を散策
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長い年月を経て自然の丘と化した古墳
温故知新を体験しました~県中地区視察研修
埋まっている葺石を実際に確認

 最後に、遊古館内の体験工房に戻り、勾玉づくりに必要な素材や道具が支給されました。数名を除いて初体験ということで、今回は小一時間程度のお手軽コースの上、素材も加工しやすいものをセレクトしてもらいました。本来の勾玉は翡翠等の堅い材料を磨いていたようなので、古墳時代の日本人はよほど暇をもてあましていたのかと質問したところ、貴重な素材のため手に入りにくい上、高い加工技術と長い時間が必要であったことから、専門の技術者が造っていたとのこと。したがって、これで身を飾ることは冨と権力の象徴であって、高貴な方々にとって重要な装身具(天皇家では、剣、鏡とともに三種の神器のひとつ)であったようです。このような事前説明があった後、早速勾玉づくりに取りかかりました。作業の大部分は、レンガ・サンドペーパーで、磨く、磨く、はたまた磨くという地味で根気のいる作業でした。普段生徒諸君の学業、スポーツ、生活を磨きまくっているPとTの集団でしたので、誰一人として根を上げることなく全員が勾玉を完成することができました。勾玉の出来映えはともかく…(ちなみに、私の勾玉は愛用のリュックに確りと結わえてあります。)

温故知新を体験しました~県中地区視察研修
真剣に聞き入った事前説明
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思わず見とれる周りの出来栄え
温故知新を体験しました~県中地区視察研修
勾玉三点セット(白い物は製作途上の勾玉)

 視察研修会に出席された皆さん、お疲れ様でした。貴重なお休みにも関わらず出席したことで、高等学校の関係者間でさらに親睦を深めることができました。また、事務局を預かられた宮崎商業高校の皆さん、今回のご手配やご配慮に感謝したいと思います。さらに、半日間、説明や指導をしていただいた田中さん、ご苦労様でした。説明時に多々突っ込みを入れてしまいましたが、大人の対応をしていただきありがとうございました。今回のお骨折りにより、地元や古代のことに新たな知識が増え関心が高まるきっかけとなり感謝に堪えません。

 PTA会長 奥 泰裕


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