2024年09月24日
第1分科会に参加して
テーマ「教育の過去・現在・未来」 ~故きを温ねて新しきを知る~
演題 藩校「弘道館」の教育
講師 茨城県水戸土木事務所偕楽園公園課 弘道館事務所主任研究員
小圷 のり子 氏
水戸藩の藩校である弘道館の学問・教育の歴史について、弘道館事務所主任研究員小圷氏より講演がありました。
水戸藩では、水戸黄門で有名な第2代藩主徳川光圀公が、歴史書『大日本史』の編纂などの文化事業に注力、学問を奨励されていました。
幕末には、第9代藩主の徳川斉昭公により、「一張一弛(時には厳格に、時には寛容に生きるべきという儒学の思想)」の思想のもと、
人材の育成のために
一張:厳格に学問に励む場所としての弘道館
一弛:藩主から領民までみんなが楽しむ場所としての偕楽園
が創設されました。
斉昭公が大切にした弘道館建学の精神は、「弘道館記」に示されているように、
「神儒一致」「忠孝一致」「文武一致」「学問事業一致」「治教一致」
の5項目でありました。
なかでも、「神儒一致」は、水戸藩学問の最大の特色といわれる神道と儒教2つの教えを中心とした精神であり、弘道館の敷地内にも鹿島神社と孔子廟が配置されました。
藩校としては全国一の規模であり、文館・武館・医学館・天文台・馬場・調練場などが整備され、年齢15歳から40歳までの藩士やその子弟の就学が義務づけられており、現在の生涯学習のような教育と話されていました。
また、弘道館には寄宿舎があり、建物内に空地を設置することで自然光を取り入れる設計で、細部にわたり学習に最善な環境が整えられていたそうです。
朝文夕武が重視され、学問では儒学・礼儀・歴史・天文・数学・地図・和歌・音楽など、武芸では剣術・槍術・柔術・兵学・鉄砲・馬術・水泳など多彩な科目があり、また医者を養成する医学館では、種痘や製薬なども実施されていました。
斉昭公は、世界情勢を考え、国家的視野に重きを置き、先見性があり、実践性の高い藩主であったこと、水戸藩は藩政改革の中心地として多くの知識人を惹きつけたこと、吉田松陰も水戸学に深く感銘を受けた一人で、獄中手記の一節には、「余深ク水府の学ニ服ス。謂ヘラク神州ノ道斯ニアリト」と書き残しており、水戸藩が幕末の志士に与えた影響は大きく、藩を超えた志士たちの交流の場であったとのことでした。
また、平成27年に近世日本の教育に貢献した史跡の構成文化財として、文化庁が創設した日本遺産に認定されました。
今回の講演テーマである「教育の過去・現在・未来」「故きを温ねて新しきを知る」を考えていくうえで、藩校教育に触れ、斉昭公の人材育成のための教育への熱い思い、実践力、明治維新など後世に引き継がれる水戸学の深さに惹きつけられました。
教育を学び、どう子どもに伝えるかを考えました。子どもたちが生きていく未来、これからの社会はどう変化していくのか、子どもたちが柔軟に対応しながら成長していくことを願いながら、保護者として何ができるのかを現在生きる私たちが常に考えながら、学びながら子どもに接していきたいと思いました。
今回、弘道館とともに日本遺産に認定された偕楽園を訪れる機会がありました。斉昭公が自ら設計し別邸として建てられた好文亭には、日本植物の名前がつけられた和室がいくつもあり、その部屋の襖は、それぞれ名前にちなんだ絵が描かれていました。
3階の楽寿楼からは湖や山、梅林の眺望が広がり、江戸の文化を感じながら時を忘れて風情のある景色を眺めていました。次は梅まつりの時期に、子どもと訪れたいと思います。
PTA会長 大野 律子
2024年09月24日
全体会(記念講演)に参加して
演題:⼈材育成の不易流⾏
講師:⼆所ノ関 寛 ⽒(第 72 代横綱・稀勢の⾥)
【不易流⾏ ふえきりゅうこう】
松尾芭蕉の俳諧の理念。伝統を踏まえつつ、⼀⽅では新しいものを取り⼊れることが⼤切だとする説。(出典:四字熟語を知る辞典)
娘が⾼校1年の時から務めてきた副会⻑の職も残り約半年。PTA研究⼤会なるものは嫌いではなく、むしろ好んで参加する⽅だが、⾼校ではこれまでなかなか機会に恵まれず、恐らく最初で最後であろう⾼校の PTA 研究⼤会に、ようやく今回参加することができた。
講師は、元横綱・稀勢の⾥こと⼆所ノ関親⽅(以下「親⽅」という)。
「私の相撲道において、⼀⽚の悔いもございません」と引退会⾒で語った親⽅は、15 歳で⾓界⼊り後、史上2位の若さで新⼗両、新⼊幕⼊り。横綱・⽩鵬の連勝「63」を⽌める⼤⾦星を果たした2010年九州場所での対戦は、14 年経った今でも記憶に新しい。
2019 年に現役引退後、現在は後進の指導にあたっているが、歴史と伝統を重んじる相撲界に新⾵を吹き込んでいるという。
現役引退後の早稲⽥⼤学⼤学院での「学び」、そして、そこでの「出会い」が、今の⾃分に⼤きな影響を与えているという親⽅の話の中で、私が印象に残った2つの話をご紹介したい。
「相撲部屋を故郷・茨城に」
ほとんどの相撲部屋が東京や埼⽟、千葉に部屋を構えているが、親⽅は 2022 年、東京から遠く離れた故郷・茨城に⼆所ノ関部屋を構えた。相撲⼈⼝の減少に危機感を感じている親⽅が、地域密着型を意識した運営を⾏なっている「J リーグ」の事例を参考に、茨城に部屋を構えることを決⼼したとのこと。
通常、相撲部屋には⼟俵が⼀つしかないが、同部屋には2つの⼟俵が⽤意されている。
理由は2つ。1つは効率的に稽古ができる環境を整えること。もう1つは「地域貢献」。⼟俵を地域の⼦ども達に開放し、現役⼒⼠と⼀緒に稽古をしたり、わんぱく相撲⼤会を開催するなど、相撲を⾝近に感じてもらえるような取組を実践し、相撲⼈⼝の増加につなげていきたいという。
「⽣活⾯の変⾰」
親⽅⾃⾝が現役時代怪我に苦しんだことから、稽古のスケジュールや⾷事⾯にも従来に捉われない取組を⾏っている。
親⽅の現役時代は早朝4時から稽古を⾏い、⾷事も⼀⽇2⾷という⽣活であったが、同部屋では⼀⽇ 3 ⾷、まずは朝ごはんを⾷べ、その後、午前9時から稽古を開始。相撲を取らない⽇も取り⼊れた。
糖尿病や肝機能障害など、以前は⼒⼠の健康⾯が取り沙汰されていたが、同部屋ではプロテイン会社と提携し、栄養⼠を⼊れるなどして、健康⾯にも気を使っている。
また、縦社会や厳しい上下関係といった昔ながらの慣習を緩和し、対話を⼤事にしているほか、証券業協会と連携し、若い時から資産形成の重要性も学ぶなど、私たちがこれまで抱えていた相撲部屋の固定概念を覆している。
相撲会の歴史には遠く及ばないが、戦後誕⽣したPTAも、今、変⾰の時を迎えている。
私事で⼤変恐縮だが、私が PTA 会⻑を務めている⼩学校では、県内で初めて、どの学校にでもあった保護者の⼀⼈⼀役を廃⽌し、ボランティア制を導⼊した。地元マスコミからも取り上げていただいたが、⼀⽅で批判的な意⾒も多かった。その後、幾つかの学校でも同様の取組が広がり、うまくいっている学校もあれば、そうでないところもあると聞いている。
そのようなことから、今回の講演は、どうしても⾃分にリンクするようで、前のめりになり聞き⼊ってしまった。
「伝統を否定することなく広い視野で、初⼼を忘れることなく、相撲協会発展のために邁進したい」と親⽅は⾔う。
部屋を⽴ち上げて若⼲2年ではあるが、既に2⼈の関取を輩出し、勢いのある⼆所ノ関部屋に今後注⽬するとともに、時代に即した PTA のあり⽅について、今後も考えていきたい。
PTA 副会⻑(第3学年担当)兼 YUME 講座委員⻑ 安藤 ⻑
2024年09月24日
第73回全国⾼等学校 PTA 連合会⼤会 茨城⼤会に参加してきました。
大会期日:令和6年8⽉22⽇(⽊)・23⽇(⾦)
⼤会テーマ
「歴史の町で変⾰を!!〜新たな時代が⽬に⼊らぬか〜」
記念講演
演題:⼈材育成の不易流⾏
講師:⼆所ノ関 寛 ⽒(第 72 代横綱・稀勢の⾥)
分科会
第1分科会
テーマ「教育の過去・現在・未来」 ~故きを温ねて新しきを知る~
· 講演1 弘道館事務所主任研究員 小圷 のり子 氏
· 講演2 茨城大学教授 加藤 崇英 氏
第2分科会
テーマ「保護者・教師・生徒が抱える問題と解決法」~新たな一歩を踏み出すために~
· 講演1 司馬クリニック院長 医学博士 司馬 理英子 氏
· 講演2 有馬総合法律事務所 弁護士 有馬 慧 氏
第3分科会
テーマ「新・生きる力と家族の絆」~子どもの心に風邪を引かせない~
· 講演・パネルディスカッション(フリートーク)
7男2女の大家族お母ちゃん 石田 千惠子 氏
第4分科会
テーマ「みんなで考えよう、これからのPTA」~あるべき新しい姿とは~
· 講演・グループトーク
花園大学 教授 炭谷 将史 氏
第5分科会
テーマ「これからのコミュニティ・スクール」~地域社会との新たな連携・協働~
· 講演・グループトーク
国立教育政策研究所 生涯学習政策研究部総括研究官 志々田 まなみ 氏
参加者のみなさん
次の投稿からは、参加者の皆さんのレポートをお知らせします。
また、こちらのブログとは別に 広報誌「いてふ」の方でも参加レポートを掲載予定です。
ぜひご一読ください。
2024年07月23日
YUME講座を運営するYUME講座委員さんは、毎年、各クラスの保護者の方からお手伝いを募ります。
前日準備から当日の駐車場案内、各教室までの講師の方の案内やサポート、大変お疲れさまでした。
今回「講師案内係」をされた委員さんからの感想をご紹介します。
・スポーツトレーナーの先生を担当させてもらいましたが、スポーツをしている生徒の参加が多く、目を輝かせて講演を聴いていました。今後も幅広い職業の方々が講演をされ、生徒たちの夢が広がることを期待しています。
・保育士不足のため尽力され、頑張っていらっしゃいました。生徒も真剣に聴いており、楽しい講義でした。
・2コマとも生徒は熱心に耳を傾けており、聴く姿勢が素晴らしかったです。
・小学校の先生のさすがの話の滑らかさ、生徒の興味をひくテーマで、皆とても集中して話を聴いていたと思います。大人もとても楽しく聴くことができました。
・大変良い講座でした。動画で感無量の様子でした。
・国内外のお金の事例から実体験を通した仕事の説明まで、充実した内容でした。
・順風満帆に人生を歩んだ訳ではない中で、今の成功、実績、地位があるという大きなギャップが子ども達にも大きな希望になったのではないかと思います。講師の講話は、是非高校3年生にも聴かせてあげたい内容でした。
当日は、役員、理事もお手伝いに参加し、講座の様子を覗かせていただきました。
子どもたちが、その分野のスペシャリストからお話を聞くことのできるとても有意義な時間だという事もあり、どの教室でも真剣に話を聞く姿が印象的でした。
また今後もYUME講座委員を募りました際には、ぜひご協力いただけますと幸いです。
2024年07月23日
~令和6年度宮崎西高校PTA YUME講座委員会~
Youthful 若者らしい
Undiscovered 未知の、未発見の
Merit 長所、価値、美点
Educate 引き出す(導き出す)
7月13日(土)、本校の伝統行事であるYUME講座2024が開催されました。
今回で記念すべき20回目の開催となった本講座は、企画から準備、運営までをPTA役員や理事、YUME講座委員会及び担当の先生方(4名)が担っており、その講師は、主に保護者や同校OB・OGが務めております。
当日はあいにくの天気の中、朝早くから多くのスタッフが、駐車場整理、受付、講師案内などの業務に従事していただきました。
また、その前日には、前日準備係の皆様が仕事終わりに学校に駆けつけていただき、資料の印刷や会場設営及び機材の確認等を行っていただきました。
講座については、法曹関係や地方公務員、医療関係やJICAボランティアなど、様々なジャンル・業種の方々にお越しいただき(31講座・37名)、「職業選択の過程」「やりがいや厳しさ」「実社会で要求される能力やマナー」などについて、高校1、2学年の生徒を対象に熱く語っていただきました。生徒にとって将来の進路や目標の参考になる、大変有意義な時間になったのではないかと思います。
閉講後、スタッフからは「生徒達が真剣な眼差しで講義を聞き入っていた」という声や、「私たち大人も大変参考になる、素晴らしい講座だった」といった感想も多くいただき、本講座の所期の目的が十分に果たされたものと考えております。
また、個人的には昨年に引き続き2年目の委員長ということもあり、昨年の反省を踏まえ、要所々々で改善を図りました。
昨年よりもスムーズだったとの意見もいただいた一方で、反省点や改善点のご意見もいただきましたので、来年度は今年以上により良い講座になるよう、しっかり引き継いでいきたいと思います(娘が今年度で卒業なもので…)。
ご多忙の中、年度当初より準備にご協力いただきました先生方をはじめ役員・理事の皆様、そしてYUME講座委員の皆様に深く感謝申し上げますとともに、本講座が今後益々本校生徒の将来の礎となる素晴らしい講座になることを祈念しております。
宮崎西高等学校・宮崎西高等学校附属中学校
PTA副会長(YUME講座委員長) 安藤 長
2024年07月10日
第2回研修委員会が6月25日(火)に視聴覚室にておこなわれました。
お手伝いをしていただいた研修委員と役員の皆様、先生方ありがとうございました。
①15時〜15時30分
進路支援部主任黒田俊一郎先生の御講話
テーマ「受験まで○○○日」
②15時30分〜16時30分
「第48期卒業生保護者5名による座談会」
〈座談会に参加された卒業生の合格大学一覧〉
・東京学芸大学学校教育教員養成課程
初等教育専攻国語コース
・大阪大学工学部応用自然学科
・奈良女子大学理学部化学生物環境学科
生物科学コース
・茨城大学人文社会科学部法律経済学科
・関西大学法学部法学政治学科
・関西大学文学部総合人文学科
・熊本大学医学部医学科推薦
・九州大学医学部医学科
・宮崎大学医学部医学科地域枠
〜第2回研修委員会に参加して〜
進路支援部主任黒田俊一郎先生からの御講話が「受験まで○○○日」というテーマでおこなわれ、その後「第48期卒業生保護者5名による座談会」が行われました。
早いもので我が子も高校3年生になり「未知の我を求めて」入学した西高での学校生活も残り1年となりました。
先輩方は、この6月からの時期をどのように過ごしていたか、また、保護者の皆様はどのようにお子様と関わってこられたのかを知ることのできる、有り難い機会となりました。
まず、黒田先生からは、入試制度の仕組みや各大学の傾向、新課程入試のおもな変更点、令和7年度入試のスケジュールの講話がありました。
先日、3年生向けの入試制度説明会が行われましたが、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜、私立大を含めたスケジュールの違いを改めて再確認することができました。
その後の座談会では、グループに分かれ卒業生5名の保護者様よりお話を伺いました。
どのように進学大学を決めたのか、お子様へどのようなお声掛けをしていたか、高校生のうちにしておいた方が良いことやオープンスクール、受験時宿泊準備の時期などこと細かく伺うことができました。
どの卒業生も、お子様自身が主体的にとらえ、自ら考え目標に向かって学習を進めていたこと、また、保護者の皆様はお子様に寄り添って、サポートはサポートでも心のサポートを中心に見守っていたという印象を受けました。
西高は、生徒、教師が一丸となって切磋琢磨し、学校全体で互いを高め合う素晴らしい校風があると感じています。
入試まで207日。合格を勝ち取るために大切なことは“凡事徹底”です。
保護者として、本人の心を尊重し、自ら考え行動できる環境を整え、寄り添いながらサポートしていきたいと思います。
3年2組 保護者代表 瀬戸口 愛子
《終了後のアンケートによる参加者の声》
理数科の進学が多かったので、普通科の進学も知りたいという意見もありました。私はとても、ためになりました! もっと質問させていただきたかったです!
素敵な機会をありがとうございました。
黒田先生の講話では、分かりやすく見やすい資料を元に、大学入試と合格を勝ち取るための色々なことを知ることができました。 特に、総合型選抜について、詳しく知ることができたのが良かったです。ありがとうございました。
座談会、お話を聞かせて頂いた保護者の皆様ありがとうございました。 皆さん、自分のお子さんを信頼してらっしゃるというか、お手伝いはするけれど、口出しはしないことを徹底していらっしゃって、感心しました。
この時期の親の思いや心掛け、サポート。家に帰って質問回答の一つ一つを読みながら、大袈裟かもしれませんが、本当に胸が熱くなりました。 とても素敵な親子関係だと思います。
今日の研修会を生かし、我が家も前に進んでいきたいです。 有意義な時間をありがとうございました。
色々お聞きする事ができ、またプリントに書かれていた事も大変参考になりました。参加できて良かったです。
少人数でのグループだったので質問もしやすかったです。企画していただきありがとうございました。
2024年07月04日
「第68回九州地区高等学校PTA連合大会いいね!発信 熊本大会」第3分科会に参加して
テーマ 「金融教育とPTA」
基調講演は、「学校における消費者教育と金融経済教育〜金融リテラシーとは何か〜」というテーマで、尚絅大学短期大学部名誉教授、熊本県公害審查会委員の川口恵子氏により行われました。
その後のパネルディスカッションは、コーディネーターが公民科教諭で熊本県立教育センターの川崎裕子氏、パネリストが、熊本県立第二高等学校家庭科教諭太田雅美氏、熊本県立熊本高等学校前PTA会長中島亜志火氏、大熊本証券株式会社清水孝洋氏により行われました。
高等学校における金融教育は、金融リテラシーの育成を目的として2022年から必須になりましたが、わが国の金融教育は、金融先進国の中でも遅れています。
川口氏は、フランスには、振り込め詐欺は発生しない理由をラ・フォンテーヌの寓話を用いて説明されました。
フランスでは、幼児期から「騙されてからでは、遅すぎる。安易に人の言うこと信用してはなりませぬ」という教育を家庭で行い、注意義務を怠って騙された方が悪いという教育をしています。そこが、日本とは全く違います。
そもそも、金融教育においては、批判的思考が国際標準の市民なのです。正確な知識を知り、自ら情報を収集し、流されず自ら行動する力を養うことが金融教育では大切だと川口氏はおっしゃいました。
パネルディスカッションでは、家庭、学校、社会が連携し、親も子どもと一緒に学ぶ事が大事で、PTA活動の中で金融教育の研修を行ったり、公民科や家庭科の授業で行われた金融教育の授業の内容などを、家庭の中で子どもと一緒に話し合うことが大切だと学びました。
証券会社の清水氏のお話の中で、投資において低リスクで高リターンなものは存在しないこと、投機と投資は違うということ、また、J-FLEC(金融経済教育推進機構)という、「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に基づき2024年4月に設立された認可法人が、8月から活動を始め、例えば、出前講座などを通じて金融経済教育を幅広い年齢層に行っていくというお話を伺いました。
J-FLECについてはホームページもあるようなので、積極的に活用したいと思いました。
基調講演とパネルディスカッションを通して、成年年齢の18歳引き下げに伴い、我が子が金融トラブルで身の破滅をする事のないように、無知の怖さを知り、家庭において堅実な金銭感覚を学ばせ、金融経済に対する適切な意思決定ができるようにすることが大切であるという事を学びました。
PTA副会長兼研修委員長 押川和代
2024年07月04日
第1分科会に参加して テーマ「青少年の健全育成とPTA活動」
事例発表
・沖縄県県立八重山農林高等学校PTA 会長 田盛 英伸氏
「支笑愛(ささえあい)」~笑顔で支えあう生徒・教師・地域との取り組み~
・福岡県県立福岡高等学校父母教師会 会長 養父 信夫氏
「青少年の健全育成と地域活動、大人の役割について」
・長崎県県立大村工業高等学校育友会 顧問 小柳 伊佐義氏
「時代に沿った育友会活動を目指して」
~新型コロナウイルス禍での気付きと育友会の見直し~
・大分県県立日田高等学校PTA 会長 仁田野 繁昌氏
「日田高校におけるPTA活動」
分科会では、各校の代表者からPTA活動報告の事例発表がありました。各校が生徒・学校・地域の実情に合わせ、工夫を凝らした実践活動が行われていました。2校の活動を紹介いたします。
先ず、沖縄県立八重山農林高等学校PTA会長 田盛英伸氏から、「農を以て、人と為す」初代校長の意思のもと、支笑愛(ささえあい)笑顔で支えあう生徒・教師・保護者・地域との取り組みについての活動報告がありました。
子どもたちや保護者、学校が地域と一体となり、郷土愛の溢れた活動であると感じました。
中でも地域伝統行事である「豊年祭」の動画や活動報告がありました。
校内で育てた農作物等への感謝と地域へのお礼をこめて、子どもたちが「自然の恵み」「愛郷愛土」2本の旗を持つ旗頭として参加、地域の多くの方々が温かく笑顔で見守る様子が印象的でした。
また、ほとんどの子どもたちが八重山農林高等学校を卒業後は石垣島を出ていくとのこと、PTA母親部と進路支援部が島を離れる心構えとして作成し、子どもたちへ贈る新生活応援ブックの紹介がありました。
新生活の準備・生活費の管理・八重山の人生訓・自炊のススメ(簡単・節約レシピ)・生活アドバイス・先輩方の失敗談などを30ページにまとめた内容で、親の思いに胸が熱くなりました。
次に、大分県県立日田高等学校PTA会長 仁田野繁昌氏より、PTA活動発表がありました。
令和3年度に創立100周年を迎えた伝統・歴史のある進学校で、文部科学省からSSH指定を受け、地域や世界の未来を開拓できる素質・能力を育む先進的な教育活動を行う高校との紹介がありました。
PTA組織は、総務委員会、指導委員会、広報委員会、進路研修委員会、生活環境委員会5つの専門委員会から構成されており、特色あるPTA活動として生活環境委員会が行う制服リユース活動紹介があり、他校から多くの質問や意見がありました。
活動内容としては、毎年エコロジーとエコノミーを考慮し、卒業する生徒に呼びかけ、制服や体操服を提供し、希望者に領布を行っているとのことでした。
質疑は、PTA活動時期やリユース基準の目安、保管方法についての内容でした。
また、質疑応答時に、制服リユース活動に実際取り組んでいる多くの学校が事例を発表する楽しい場となり、貴重な学びとなりました。
クリーニング後の制服提供をお願いし、学校内で衣装ケースなどに保管し、必要な時に子どもたちがいつでも利用できる体制を整えている活動例や、活動時期としては、年間通しての活動や新入生入学前や在校生卒業時の活動がありました。
また、制服リユース活動の利用目的としては、新入学時以外に成長による買い替えや洗い替えなどで利用する家庭が多いとの事でした。
4校の事例発表、実践活動から多くのことを学ぶとともに、PTA活動の魅力化・活性化の推進について考えることができました。
PTA会長 大野 律子
2024年07月04日
記念講演等に参加して
「アトラクション」は、
熊本県立鹿本農業高等学校郷土芸能伝承部による「奉納・山鹿灯籠」と、熊本県立第一高等学校合唱団の合唱「明日のノート」「Let’s sing a song」のふたつのプログラムでした。
「奉納・山鹿灯籠」は、頭にのせた金灯籠の灯りが灯る幻想的な雰囲気の中、優美な舞を堪能させていただきました。
頭にのせた金灯籠は、灯籠師がつくりだす伝統工芸品です。その見目の煌びやかさからは想像できませんが、和紙と糊だけで作られており、重さはわずか180g、卵3個分程度の重さと聞き、驚かされました。
また、昭和15年に創部された歴史ある熊本県立第一高等学校の合唱団の歌声は、透明感のある、それでいて重厚感もある心奪われる素敵な歌声でした。
開会式では、実行委員長より「不透明なことばかりの今だからこそ、普通の、いつも通りの会を準備した」と震災や新型コロナウイルス感染拡大を経て、普通の大切さを考えさせられるご挨拶をいただきました。
また、九高P連会長からは「平和な日常こそ大切なものだ」「生きる場所は人の間にしかない」「この会を良い人間関係のはじめの一歩にしましょう」と、人と関わる大切さを考えさせられるご挨拶をいただきました。
次に、『くまモンの人間力』というテーマで「くまモン」を世に広げた宮尾千加子さんの記念講演を拝聴しました。
九州新幹線全線開業に向け、くまもとサプライズ県民運動の旗振り役として誕生した「くまモン」は、新幹線の開通という大きな仕事を終えてもなお、努力を続け、人に寄り添い、復興のシンボルとなり、その「人間力の高さ」から愛され続け、今に続いているというお話でした。
そんな「くまモン」の人間力の高さをふまえ、「多様化・複雑化する世界・社会の中で、子ども達にどんな力をつけてもらいたい?」のか、「保護者、学校関係者の私達にできることは?」を考えさせられる講演となりました。
心に残っているフレーズをいくつか紹介し、この講演の紹介とさせていただきたいと思います。
【考えられないくらい変化していく社会を、受け入れるだけでなく考える。】
【レジリエンスが大切。】
【挑戦して失敗し、落ち込んでも良いと思っている。落ち込んだり、泣いたりしたことが次の一歩につながる。】
【がんばれでは育たない。】
【保護者は口に出さない努力をしましょう。】
【壁をありがたく思え。】
【21世紀に重要視されているスキルは新しいことを学ぶスキルである。】
【変わる勇気は大事。怖いけどね。】
教育者であり、親であり、母であり、人であり…そんな宮尾千加子さんの言葉は、本当に心打たれるものでした。
今回の熊本大会は、今も残る熊本地震による被害、復興を知り、防災・減災について学ぶことから、「くまモン」と一緒に音楽を楽しむまで、本当に幅広いものでした。
心をひとつに取り組まれている熊本城の修復を心から願いつつ、大人も学ぶことをやめてはいけないのだと痛感した会となりました。
また、機会があれば参加させていただきたいと思います。
PTA高校3学年 監事 浜田 愛
2024年07月04日
第68回九州地区高等学校PTA連合大会「いいね!発信」熊本大会に参加してきました。
テーマ:「いいね」から始めよう~認める・つながる・楽しむ~
期日:令和6年6月20日(木)・21日(金)
参加者:九州地区高等学校(特別支援学校を含む)PTA
大会日程
・アトラクション・開会式
・記念講演
『くまモンの人間力』
講師:熊本大学理事(元熊本県教育長)宮尾 千加子 氏
分科会
・第1分科会:青少年の健全育成とPTA活動(事例発表)
・第2分科会:進路指導とPTA活動(事例発表)
・第3分科会:金融教育とPTA(パネルディスカッション)
参加者のみなさん
次の投稿からは、参加者の皆さんのレポートをお知らせします。
ぜひご一読ください。